1-3.正則集合 その3

正則集合の構成に関する帰納法

  1. φについて成り立つ
  2. 各{a} (a∈Σ)について成り立つ
  3. 正則集合X,Yについて成り立つと仮定しとき、X∪Y,XY,Xについても成り立つ

任意の集合X⊆Σおよび語y∈Σに対して
y\X={z∈Σ|yz∈X}
とおき、これをXのyによる左からの商とよぶ。

 例:ひらがな語Σ={あ,あのね,いやだなあ,うん,…}の部分集合として、X={「あ」で始まるひらがな語}を考える。Xは「いやだなあ」「うん」などを含まないが、「あ」「あのね」などを含む。このXを「あ」で割ってみる。
 「あ」・z∈Σとなるようなz、とは、頭に「あ」をくっつけると、「あ」を含むひらがな語になる、ということだ。当たり前だ! 例が良くない。

 例:ひらがな語Σ={あ,ああ,…,あおもり,おおもり,…}の部分集合として、X={都道府県名}を考える。Xは「あ」「ああ」「おおもり」などを含まないが、「あいち」「あおもり」など47の元を含む。このXを「あ」で割ってみる。
 「あ」・z∈Σとなるようなz、とは、頭に「あ」をくっつけると、都道府県名になる、ということだ。つまり47都道府県名のうち、「あ」で始まる「あおもり」「あきた」「あいち」(だけ?)から、「あ」を除いた、「おもり」「きた」「いち」がzである資格がある。
 この場合、「あ」\{都道府県名}={「おもり」,「きた」,「いち」} というわけだ。

 商(の性質)に、割る方も割られる方も痕跡が残らないのが、いまいち直感的に理解しにくい。
 …と思ったが、そんなことはないな。除算だから逆演算として積を考えれば納得だ。両辺に「あ」を掛けてこんな感じ。イコールではないが。
 {都道府県名} ⊇ 「あ」・{「おもり」,「きた」,「いち」}

One Response to “1-3.正則集合 その3”

  1. 1
    admin

    引用でなく要約した部分にはノートっぽい罫線を入れてみた。行間がそろわないのは男らしく無視。紙のノートだってそんなにきれいに書けないのだし。


Want to Leave a Reply?